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2005年11月29日
>第一話


「あ!ああ・・・!」

魔王の部屋に響く私の声は、誰の耳にも届かない。
解かりきっている。
魔王の城には魔王しか居ない。
悲しい、淋しい人。

「ふ。やはり処女だったのだね。」

痛い、ツライ、やめて。
助けて。
違う。
助けてあげたい。あなたを。

「ふふ。それほど痛むのかね」

苦痛に涙する私を嬉しそうに笑う。
違うよ、魔王。
あなたがあまりに可哀想で泣いているの。
あなたがあまりに。

「さあ、もっと悲痛の声を聞かせておくれよ!」

乾ききったそこを責め立てるから、血が溢れて、狂ってしまったのだと思う。

「・・・ぐ!」

魔王は魔の王。
魔の法を知り尽くした王。
私なんかが叶うわけもない存在。
ただねじ伏せられるだけの存在。

その、はずなのに、どうして。

血が・・・

私の中から溢れていた血と

あの人の血が混ざってた。

よく覚えていない。
痛くて、辛くて、気づいたら終わってた。
気づいたら、一番可哀想で一番愛しかった魔王が死んでいた。

「ま・・・おう・・・様・・・?」

解からない。一体何が・・・?
ううん、解かってる。
一番あなたが憎くて、殺したの。







「姉さま・・・」

私より先に堕天使になってしまった姉さま、マリエル。
天使が堕天使と接触出来るわけがない。
だから私も天使でなくなってしまいたいと願った。
姉さまは悲しそうな顔をした。
怒られるのは慣れてた。でも悲しまれるのは慣れてなかった。
私は姉さまのためにも、天使であり続けなくてはならないと思った。






私の仕事は郵便。
手紙は心で出来ていて、それをいかなるところへも届けること。
主に、言語の通じない相手への手紙がもっぱらだった。
だけど、どうしてか・・・
その日は魔王への手紙が紛れていた。
きっと何かの間違い。私は手紙を差出人に返そうと思った。
だけどどうしてか、差出人が解からない。
ひとの心を預かっているのに、その心の持ち主がわからないなんて・・・

「ほう、これは珍しい。」

魔王の城の入り口で立っていると、数秒で人がやってきた。

「あの、魔王さんにお届けものなのですが・・・ご在宅ですか?」
「ああ、私だ。届け物とは?」

え。
驚いた。魔王自らお出ましだなんて。

「心です。あなたに届けたい思いをお届けにあがりました。」
「ほう・・・?」

魔王は理解しきれないといった風だった。
口で言うより渡してしまった方が早そうだ。

「お手を拝借してもよろしいでしょうか。」
「ああ、構わんよ。」

・・・っ!
熱い。
けしてこの人の手が熱いわけじゃないけど・・・
触れるとなんだか火傷をおった部分に人肌のまま触れられているような気分。
早めに済まそう・・・。
触れた手から、差出人から届けられた心を魔王に送った。

「ふむ、なるほど。」
「しっかり届いたようですね。それでは私は失礼いたします。」
「そうか。せっかくなので持て成そうと思っていたのだが。」
「ありがとうございます。お気持ちだけいただいておきますね。」

笑顔でそう答えると、魔王も笑い返した。

「ああ・・・」
「はい?」
「私の名はベルゼブ。名を。」
「あ、私はシェキエルといいます。」
「そうか、シェキエル。次は持て成そう。」
「ありがとうございます。では失礼します。」

ベルゼブさんはとても爽やかに笑っていた。
その笑顔に何も裏がないと感じるのにどうして

毒々しく粘りつく印象を覚えたのか。






「! シェキエル!」
「来ちゃい、ました。」
「・・・入りな。」

下界へ追放された姉さま。
羽を捥がれ、地を歩く人間として生きることとなった。

人間にとって歩くという行為は自然であり、天使にとって飛ぶことが自然であるように
人間にとって飛ぶという行為が無理であり、天使にとって歩くことが無理に近いものである。
つまり下界への追放とは、ほぼ死を表した。
羽の重さで元々歩くことは無理であると解かりきっていて、足は発達させていないし、
羽の筋肉の使い方は熟知していても、足の筋肉の使い方は無知に近いのだ。

「堕ちた・・・わけじゃなさそうね。」
「いえ、堕ちたはずなのですが・・・」

純潔を奪われ、平等ではない愛を知った。
十分なほどに堕ちたはずの私の羽は黒く染まっていなかった。

「どういうこと・・・?」

天使は悪魔に触れれば拒絶反応を起こし、堕天使と同じ空気を共有出来ない。
つまり悪魔には近づけても触れるのは困難であり、堕天使には近づくことすら出来ないということ。

「考えうる可能性としては、堕ちた私と、堕ちきれない私が私の中に存在する、ということです。」
「・・・そりゃまたややこしいね。」
「そう・・・ですね。」
「要するに、前のままのシェキエルだけど、堕ちてしまったアタシと一緒に居て大丈夫ってこと?」
「え、あ。そうなりますね。」
「なんだ。凄くいいことじゃん。」
「そう・・・ですねぇ。」

姉さまの出した答えは絶対におかしいはずなのに、何か納得してしまった。
今はそれでいいのかもしれない。
問題が発生したら、その時考えよう・・・
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